肥満になると腰痛を発症する確率が高くなることはよく知られています。
特に急激に体重が増加することで、体重を支えるための筋力が追い付かず、ひざの関節や股関節に負担がかかり、耐え切れなくなり腰痛が発症します。
肥満で腰痛になるメカニズムと腰痛を解消させるためのダイエットについて紹介します。
肥満で腰痛になるメカニズム
肥満が原因で腰痛になることはよくありることで、急激な体重の変化に身体がついていくことができず筋力不足でいろいろな関節などに負担をかけ、そのことが原因で腰痛を発症します。
関節への負担
肥満になることで関節への負担は大きくなり、特にひざの負担は大きく、立ったり座ったり、歩いたり走ったりと、とにかく身体を動かすときには必ず使う関節なので体重を支えるだけでも負担がかかります。
ひざへの負担は歩行時では体重の約3倍もの力がかかるので、1kg太れば余分に3kgもの力がひざにかかることになります。
股関節は骨盤と両脚をつなぐ関節で体重を支える重要な関節です。
肥満になることで体重を支える負担が増えるだけではなく、股関節のまわりに余分な脂肪がつくことで股関節の可動域が狭くなり、股関節の働きが悪くなります。
股関節の動きが悪くなるとその他の関節に負担が増え、特にひざや腰の負担が増えます。
腰への負担
肥満になると腰への負担が増加します。
肥満になることで関節の働きが悪くなり腰への負担が増え、体重の増加によって身体を動かすことがおっくうになり運動量が減ります。
運動量が減ると使わなくなった筋肉は筋力が失われてゆき、姿勢や動作を支えることができなくなることで、腰への負担が増え腰痛を引き起こします。
また、肥満になるとお腹まわりに皮下脂肪がつき、お腹が突き出てくるので身体を支えるバランスが悪くなり、立っている時に腰が反った状態になる反り腰になって腰痛が起こります。
肥満の度合いを知る
肥満を知るにはBMIで肥満度を確認することで、BMIは肥満度を表す指標で[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められます
BMIの日本人の基準値は男性が22.0、女性が21.0で男女とも18.5~25.0の範囲であれば普通体重で、BMIが25以上であれば肥満になりかけています。
肥満度判定基準
BMI | 肥満度判定 |
---|---|
18.5未満 | 低体重(やせ) |
18.5~25未満 | 普通体重 |
25~30未満 | 肥満(1度) |
30~35未満 | 肥満(2度) |
35~40未満 | 肥満(3度) |
40以上 | 肥満(4度) |
肥満と腰痛を一挙に改善する唯一の方法
肥満と腰痛を一挙に改善するにはダイエットしかありません。
肥満を加速させるのは、体重の増加で身体に負担がかかり、身体を動かすことをやめることで筋力の低下が起こり、それに従い基礎代謝が下がるといった負のスパイラルになって太りやすい体質になります。
この悪い循環を断ち切ることが腰痛改善の第一歩になります。
ダイエットの成功率を上げるのはとにかく早めに取り組むことです。
ダイエットは体重が増加し始めたときに始める方が負担が軽く、太りすぎになるまで肥満度が上がってしまうとダイエットも大変になります。
中性脂肪が蓄えられるのは、食事によるエネルギー摂取量が日常の生活で消費されるエネルギー量を上回ることによるためで、それには食事制限が一番有効です。
食事の制限は極端に始めるのではなく、毎回の食事の量を減らしていったり、間食をやめたりするような緩やかなものにした方が長続きします。
いきなり激しいトレーニングを始めると体重の増加で負担がかかっていた関節などを痛めることがあるので、軽い運動から始めます。
ウォーキングなどの関節や筋肉に負担の少ないエクササイズから始めましょう。
すべての肥満の人が腰痛になるわけではありませんが、肥満になると腰痛になる割合は増加します。
肥満が原因の腰痛であればダイエットをして体重を標準に戻すことで改善します。